松戸ロピア 窯焼き割烹 黒泉

外飯の話
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人様に作っていただく物は何でも旨い!ぽんこつです。

美味しい情報を求めて

暫定ニートの一日はニュースチェック(果てし無いネットサーフィン)から始まります。事件・事故・政治・経済…仕入れなくてはならない情報の信憑性を確かめる作業など、ニートだからって暇を持て余しているわけでは無いのです。

グルメサイトも各方面もちろんチェックします。老舗や有名店など休日は大行列して待たなければ入れないようなお店でも、平日の昼間から行列なしで入れることはニートだけに許された天国。ま、暇だから行ける訳ですが…。

この7月。あまたあるグルメコラムの中から「これは今でこそ行くしかない!」と思わせたレストランを発見。

千葉県松戸市の松戸駅前、2018年3月に閉店を迎えた伊勢丹跡地にそのフロアを活用した新しいショッピングセンター「キテミテマツド」がオープンしたそうな。

この地下フロアにある大型スーパー「ロピア」にある精肉店「黒犇(くろほん)」に隣接して窯焼き割烹「黒泉(くろせん)」という和牛の隠れ家レストランがあるとのこと。

なんでも和牛肉割烹のフルコース5,000円(税抜き)ですって。ん?5,000円?フルコースで?しかも、バブル時代の雰囲気さながらの怪しげな演出がふんだんだとか。その時代を彷彿とさせる黒服がエスコートするとか。銀座なら30,000円はするであろう贅沢なフルコースだとか。まさかー。

色々と情報を深堀したけどまだオープン間もない7月でネット上(なにログ)にもほとんど書き込みが無い。関係者・プレス的な書き込みはあるもののまだまだ情報が少ない。これは今こそ行って確かめるしかない!とtablecheck.comから速予約しました。

いざ松戸へ

8月初旬。伊勢丹閉店セールで一度しか訪れたことのない松戸駅前から歩くこと3分。かつて百貨店だった建物はそのままに、今の住民ニーズに対応する新しいテナントが詰まった「キテミテマツド」の地下へ降りるとそこは普通のスーパー。

スーパーの精肉コーナー奥の薄暗い従業員通路の更に奥に現れた重厚な扉とライトに照らされた怪しげなミラーボールに思わず笑ってしまう。

あやしい。あやしすぎる。

ネットで見たグルメコラムでも「怪しげ」と表現されていたのはこれですね。

訪問のきっかけになったグルメコラムに「黒服」と表現されていた店員さんに案内していただき、ゆったりとしたカウンター席へ。まだ誰も他のお客さんがいなかったので許可を得て客席とフロント厨房をパシャリ。新しい店舗なので厨房も美しく整然としています。今回このカウンター席は最終的にぽんこつ含め7名のゲストが座りました。

右奥に見えるのが窯焼き器。炎がメラメラしています。

肉たち。

マグロ包丁シャキーン!

カウンター前には本日の食材であるお肉や野菜が今か今かと出番を待っています。

本日提供されるお肉のご紹介。どいつもこいつも美味しそう…じゅるり。

さて。まずは…肉専門割烹ならでは?前八寸に代わってのお肉の三種盛りがやって来ます。

三種盛りのための薬味の入った小さなお重が可愛らしい。懐石(会席)料理に倣ってちゃんと霧吹きがしてあります。

・和牛炙りはツマと大葉が添えられて山葵、薬味と醤油(甘口)でいただきます。
・和牛ローストビーフはトマトのソース、クレソンが添えられていました。
・和牛の湯引きは蓮芋の薄切りと大根が添えられ右側の細かく刻んだ塩昆布でいただきます。

この中で一番美味しかったのはイタリアンテイストなトマトソースがかかったローストビーフでした。ほんのりとセロリの香りが添えられたソース。この肉の味はぽんこつが知っている黒毛和牛の味でとても美味。

・黒タンの炉窯焼きは岩塩とかぼすでさっぱりと。万願寺とうがらし、山わさび。しっかりとした歯ごたえが心地よい厚切り牛タン。とてもシンプルでそれぞれ大変美味しいです。

お椀も霧吹きで封をされ、おもてなしの心遣いを感じさせてくれます。

・牛テールのお椀は蟹肉の湯葉包と和牛テール、バチコ、じゅん菜。テールスープの旨味が染みわたる汁と久しぶりの夏のお楽しみ、じゅん菜が嬉しい。

・車海老のサーロイン巻き揚げはキャビア、金箔でおめかし。下味とキャビアの塩気でいただきます。

・サーロインのバラ寿司はウニ、キャビアとのコラボレーション。一口サイズの酢飯とこってりとしたウニ、脂ののったサーロインにキャビアのきりっとした酸味と塩気、脂のハーモニー。

ヒレステーキ&グリル旬菜とサラダ。

・ヒレステーキ岩塩は旬のグリーンアスパラ、賀茂なす、しいたけなど旬菜のグリルとサッパリみょうがサラダと。いやー。美味しいですね。このシンプルに食材それぞれの良いところを味わい尽くせる感じがたまりません。

お次は何だい?とワクワクさせる器の演出が楽しいです。

・アメーラトマトとオクラのゼリー寄せは口直しにサッパリした一品です。夏ならではの野菜は出汁もしっかりと際立って仕込みにチカラを注いだ感が伝わります。

しゃぶしゃぶのセットが準備されました。

鱧の骨切り。

・サーロインと鱧のしゃぶしゃぶは鱧、冬瓜と。

鱧はメインシェフがカウンターで骨切りをパフォーマンスしてくださり、冬瓜と炊合せた出汁でしゃぶしゃぶします。あっさりしていてとても美味しいので全部グビーっと飲み干しました。

続いてすき焼きが準備され始めます。

・サーロインのすき焼きは那須高原の極卵、ご飯、削り出しトリュフ。たぶん、この時点でぽんこつの腹は限界を迎えようとしていたのでしょう。

残念ながら、ここだけ写真と記憶が抜けていて…定かでない情報。確か…シェフ側に準備した割り下入りの大きな鍋ですき焼き肉を仕上げて、極卵をといた各自の器に入れてもらって堪能した気がします。

このすき焼きに使っていた那須高原の極卵ってやつがものすごく美味しかったのでネットで調べてみましたが、結構高くてよっぽどセレブリティーな生活ができる経済力がないと普段使いには難しそうです。機会があれば贈答にしたいなと思います。

すき焼き肉を食したあとの残ったとき卵の中に小盛りのあったかご飯&サマートリュフ。写真ではトリュフしか見えませんが、この下にホカホカの白米と溶き卵が存在します。

ギャルソン(いわゆる黒服?)が器どころじゃない、お盆をOBするほどにこれでもか!とサマートリュフを削って散らかしてくれます。散らかったそいつらをもったいないからと器に拾い集め、更にその三位一体になった卵・ご飯・トリュフをゴシャゴシャゴシャーっと激しく捏ねくり回していただく。という飯物をこしらえたいらげました。ふぅ。ザ・贅沢。

・鱧の土鍋ご飯はみょうが、コーン、干しエビなどなど盛りだくさん。

お椀、香の物、和牛揚物の土佐酢煮、和牛有馬煮などと共にいただきます。

いよいよお腹いっぱいです。ぽんこつの腹十二分目くらいまで来ておます。来ておますよー!素敵スマイルで「おかわりどぞー!」と進められても入らないものは入らない。もう少しだけ薄味ならおかわりイケたかも知れません…。

・塩ソルベと葡萄シロップ漬けで〆のデザート。

旬の葡萄シロップ漬けは甘く豊潤、さっぱり塩ソルベが先ほどまで大賑わいしていた味覚と満腹と様々なアレコレを開放してくれます。

もう、はち切れそう。もう無理。なくらいお腹いっぱい盛りだくさんのコースでした。こ、これだけ食べて5,000円て…。どういうことなんでしょう。

色々とお話を伺いましたが南青山の「よろにく」オーナーがレストラン事業のコンサルとして介入しているとのことで、メニューもシェフ含め時期ごとに会議の上決めているそうな。

どう考えても採算度外視

それにしてもこの価格です。母体であるスーパーマーケットの「ロピア」がそもそも精肉事業が本業であったことなどナルホドなと思う部分もあるのですが、カウンター12席・完全予約二部制の一日あたり2回転・1,200〜1,500円の手頃な価格帯のワイン(もっとお高いワインも)を揃え、バック厨房含め厨房内従事者は最低でも4名・フロア担当4名。更にコンサル料だって発生しているはず…。

いくら銀座とは地価が違うとはいえ、銀座で食べたら少なくとも2~30,000円(税・サ別)はするでしょう。

はっきり覚えていませんが、たぶんバック厨房には調理以外の洗浄なども含め2人はいるはずで、月当たりの人件費もそれなりかと。通常で考えれば飲食の原価は3掛けとして、最低の客単価が5,000円てどーなってるんだ?利用者としては嬉しい限りの価格設定ですが本来の物価やサーヴィスの適正価格などなどアレコレいらぬことを考えざるを得ない一日でした。

一緒に食事を楽しんだ友人もご主人と再訪したいとのことで9月に予約を入れていましたが、再訪時には既ににたくさんの予約で大盛況らしく、今年はもう予約で埋め尽くされているとのこと。

何にしても美味しいお肉でお腹いっぱいになり幸せでした。この貴重なニート期間の暇を駆使して、普段なかなか行けないお店へまた行きたいと思います。

ごちそうさまでした。

マグロ包丁でお肉をカットするパフォーマンスはイケメンシェフの見せ所。

どれもこれも美味しくいただき、税抜き5,000円というコストパフォーマンスには驚愕以外の何物でもないのですが、改めてぽんこつは…そもそもロッシーニ的な料理は苦手なのかもと思いました。

いや、美味しいことには変わりないのだけれど主張のある食材をそんなに色々と重ねなくても、それぞれで美味しければシンプルに食べたい。無駄にゴージャスなケンカさせないであげて…と、切に願います。

ま、美食家じゃないってことですね。

記事内情報:2019年8月現在

店舗情報

松戸 窯焼き割烹 黒泉

営業時間:17:00-23:00(完全予約2部制)
TEL:047-365-9600

URL:tablecheck.com

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