浅草 ヨシカミ

外飯の話
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うますぎて申し訳ないス!

どこにも行けない民。

緊急事態宣言があけて約2ヶ月。

在宅勤務だった方も通常通りオフィス出勤に戻りつつ、通勤電車もそこそこの混雑で平常に戻ったかのようでしたが、再び感染者が急増していることからこれから迎えるお盆休みも都民は東京から出ないで、他県民は東京へ行かないでとお願いをされています。

そもそもインドア派だし、猫がいるから旅行も行かないし、いつもと変わらない生活のぽんこつファミリーですからあんまり影響は少ないものの、飲食店は時短とは言え営業再開しているし美味しい物でも食べに行きたい。

ボーっと、鮮やかなフライパン捌きのプロが作るオムレツ動画を見て閃いた。

「もしかして、観光客で行列ができる有名店は空いているんじゃね?」

いつ行っても店内はすし詰め、外には長い行列ができる有名店が東京には沢山ある!と思い立ち、動画で見ていた素晴らしいテクニックでオムライスを包む浅草の「ヨシカミ」へ行って参りました。

お店のブログを見ると、もう以前のような行列や相席の賑わいには戻れないだろうと現状の悲痛な気持ちが綴られ、今こそ都民が「食べて応援!」できるチャンスと鼻息が荒くなりました。

夕飯時に行列なし。
平日休日問わず、日本全国・世界各国からの観光客でにぎわい、歩き進めるのも大変なのが当たり前だった浅草寺前の仲見世通りは人通りもまばらでさびしい空気が漂います。

ホッピー通りあたりは何故か酔っ払って大声出して大騒ぎの若者がわんさかいて、全体的に年配者が少ない印象だったので体力に自信のない方はホームでステイしてるのねという感じです。

「いつのタイミングなら並ばずに食事できるんだろうか?」と、この界隈へ来るたびに前を通っては大行列を見て諦めるを繰り返してきた洋食屋さん「ヨシカミ」もご覧のとおり。

おかげで待つことなく着席できましたが、今までにぎわっていた観光地のレストランとしてはいろんな意味でさびしいですよね。

ホテルや病院、小さなレストランまで規模にかかわらず、厨房コンサルティング業に従事していた身としては本当に複雑な気持ちです。

これからの飲食業界はどうなってしまうのでしょうか…。

どれもこれも美味しそう

ステーキやハンバーグ、フライ、スパゲッティなどなどがずらりと並ぶメニューはどれにしようか迷っちゃう至福の時間。

ポタージュは外せないな!

今日はオムライスと心に決めて来たんだ!

おじさん。こんな所に…。

オムライスのスープ・サラダセットとスパゲッティミートボール、単品でエビフライとビーフコロッケを注文してから店内をキョロキョロと観察します。

木製の窓枠や装飾が歴史を感じます。この界隈で育った芸人さんも沢山いるからか店内には有名人のサイン色紙が沢山飾られていました。

いただきまーす!

まずはサラダ。セットのミニサラダということですが、結構盛りだくさんです。

湯剥きされたトマトと水煮缶のホワイトアスパラに酸味のきいたフレンチドレッシングが昭和懐かしい感じで美味しい。

結構なボリュームで入っているややしんなりとした葉野菜は、味が均一だったので予めドレッシングをまとわせて下ごしらえされていたのかな。

上からドバーっとドレッシングをかけただけではない、丁寧さを感じます。

それから、カップのコーンポタージュ。ヒゲのおじさんがかわいい。

このポタージュ、すごく美味しかった!

味わう前はあまり濃厚ではないのかなと思わせる色味に感じましたが、トウモロコシの自然な旨味だけではない何か隠し味的な旨味が感じられる美味しさで、今度来たときはカップではなく皿でいただこうと心に決めました。

スパゲッティミートボールはナポリタンの上にドミグラスソースで煮込んだミートボールがゴロっとのっています。濃厚な味わいのドミグラスソースが美味しい。

仕上げのチーズもこんもりと盛り付けが美しく、老舗洋食屋さんのプライドを感じます。

美しく包まれたオムライス。と、ヒゲのおじさん。

今どき流行りのオムトロ系ではなく、薄く広く焼かれたオムの端っこまで乗せ広げたケチャップライスを太巻きのように包んでいます。

この包み方をYouTubeで見てびっくりしたことが来店のきっかけですが、とにかく神業でした。是非、動画を検索してご覧ください!

本当はカウンターに座ってじっくり見たかったのですが、密を避けて席を間引いているので座れず…。残念ですがまた次回!

美しい…。

外側にかけているトマトソース(ケチャップ)も自家製のようで、キリッとした酸味のパンチが効いてます。

ケチャップライスがやや甘みのある感じだったので、一体になった時のバランスを考えて作られていると感じました。

もちろんですが、とっても美味しいです!

エビフライとビーフコロッケ。こいつらも美しい…。

このコロッケ、普通のじゃがいもコロッケだと思って注文したら…なんと、かためのベシャメルを生地にしたクリームコロッケでびっくり!形も美しく、衣も薄くてカリカリでもちろん美味しい!

エビフライも自分で作るのとはやっぱり違う。エビ自体がプリプリして衣カリサクがたまらないのは当然ですが、この添えられたタルタルソースがびっくりするほど美味しい!

本当に丁寧に作られているんだなぁと感動させてくれます。このエビフライ、多くの人にぜひ味わってほしい。

そして最後のデザートその名も「昭和のプリン」です。このプリンもとても好みの味です。

かなりしっかりかためであっさりした甘さの生地と、ほろ苦さの主張が強いカラメルが非常に美味しい。

今どきの甘々トロトロに慣れている方には「うーん?」かも知れませんが、なんというか無駄な味がしない、過剰な手を加えていない素朴な美味しさがたまらないプリンでした。

プリン好きの方へなら伝わると思いますが、モロゾフのプリンより生地がむっちりとしっかりしていて、カラメルがほろ苦くて甘さ控えめであっさりしている。

丁寧という言葉に尽きる。

いわゆるファミリーレストランの洋食の値段からすると、やや高めの価格設定だと感じる方もいるかと思いますが、ぽんこつ的には昭和時代の高島屋や三越などデパートの大食堂と同等かと思います。

セントラルキッチンを持って大量生産している大手チェーン店と異なり、お店の厨房で日々作り続けていればこの価格になるのは当たり前、客単価3,000円は決して高くはないと思います。

昔ながらのザ・日本の洋食屋!だなーと感じたのはドミグラスソースやトマトソースがかなり濃く仕上げられているところですかね。

たぶん、ビーフシチューなんかはぽんこつにとってはややクドく感じるかもしれないです。

いろいろ食べてみて思ったのですが、どれもこれも盛り付けがとても美しい。さらに、エビフライやコロッケの造形まで完璧な美しさ。

昔ながらの味を本当に丁寧に手作りし続けているんだなぁと感じました。

ヒゲのおじさん

「うますぎて申し訳ないス!」と、ナフキンにも食器にもグラスにも登場するおじさん。

椅子の背もたれにまで登場!

このオリジナリティに溢れた演出は素晴らしい。並々ならぬ企業努力とお客様への愛を感じます。

キャッシャー付近に置かれていたヨシカミの案内状にはこんなことが記されていました。

公式HPでは調理師の募集なども掲載され、ヨシカミの今後未来について守り続けたり継承したり、何度となく足を運んでくれたお客様たちからいつまでも愛される存在であり続けるにはどうすればよいかという試行錯誤している姿勢が痛いほど伝わります。

いただいたミニメニュー
帰宅してから改めていただいたミニメニューをじっくり見ます。

中でも気になるのはシーフードの「かきのお料理」。

冷凍技術も発達している昨今では、季節を問わずかき料理を出すお店はありますが秋冬限定ということは、おっしゃる通り素材を厳選しているからこそでしょう。

再訪する時にはかにサラダとかきグラタン、ステーキ、サンドウィッチも食べたいなぁ~…。そして、とても美味しくて忘れられない味、タルタルソースをたっぷりつけて魚介フライも食べたい!

たぶん、ハヤシライスとかビーフシチューとかハンバーグなど、ザ・洋食なお料理が一番人気なんだろうと思われますがヨシカミのエビフライは侮れませんよ!

よだれ出る。

つい先週、オムライス目当てに行ったばかりなのにあのフライとタルタルを思い出してよだれが出るほどとりこになってしまったぽんこつ。

「うますぎて申し訳ないス!」は、伊達じゃない。

口コミサイトを見ると称賛・酷評様々ではありますが、是非一度はシーフードのフライをタルタルソースとともに召し上がってもらえれば…酷評も覆るのではなかろうかと思うぽんこつです。

この長く続く非常事態下で、あとどれだけ行列店に行けるかな?と、どこにも行けない民は夢見て過ごします。

記載情報:2020年8月

浅草 ヨシカミ

住所:〒111-0032 東京都台東区浅草1-41-4 六区ブロードウェイ
TEL:03-3841-1802
定休日:毎週木曜日(木曜日が祝日の場合は前後します)
営業時間:11:30 – L.O. – 21:30 Close - 22:00

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