何をやっても続かない。ぽんこつにも気長にできる趣味を。
エネルギーに溢れかえっていた若い頃は、夏は毎週のように波乗りに千葉の海へ行ったり、冬はスノーボードのために雪山へとかなりアクティブにスポーツしていましたが、今ではめっきり。
まずアウトドアスポーツは行くのに時間もお金もかかるし、道具もいろいろ揃えたり買い替えたり、身体は疲れがとれなくなってきてるし、何より猫がいるし…と、すっかりインドア派になって久しいのですが、ちょうど3年前(2017年)の今頃から自己鍛錬のために何か家でできる趣味を…と、月に一度のペースでヴィオラのレッスンを始めました。
年齢と共に多少身体がガタつくのは誰にとってもしょうがないことですが、自分や家族がわからなくなるほどボケるのはちょっと怖いと思っているので、脳を動かしながら感動したり上達したりできる楽器はとてもいいんじゃないかと思いますがいかがでしょう?
なぜヴィオラを選んだかというと、大人になってから始めて習得するにはとても複雑で難しい楽器であることと(脳の活性化)、自宅でも消音機を使ったりしながら練習ができること。
また、ぽんこつはあまり小柄な方ではないのでヴァイオリンより少し大きいヴィオラが体格にあってるんじゃないかと思ったことと、ヴァイオリンよりも低く渋い感じの音が好みだったからです。
そもそもにして、やったこともない見たこともない楽器を先に持っているなんてこともないので、まずは楽器をレンタルできてレッスンできるような教室を探すことから始めました。
しかしながら、ヴィオラ教室はあるものの実際にはヴァイオリン教室でヴィオラも教えているというところが多く、楽器もリース制度(最終的に買い上げ)を導入している大手楽器メーカーが展開する音楽教室がほとんどでした。
うーん。初心者向けの適正レベルの楽器を自前で用意するから、ヴィオラの魅力を最大限に伝授してくれるヴィオラに特化した教室はないもんか?そして、ふと閃いた。
「オーケストラに所属している現役のプロって教えてくれないもんかな?」
N響、都響へ問い合わせるものの団体と団員との契約で禁止されているのかどうかはわかりませんが「うちはそうゆうのやってない。」とのこと。
怖いもの知らずというか、身の程知らずというか、そーゆーことだけは行動的。
そしてめげずにもう一軒、問い合わせてみると事務方が「あ、今日偶然にもヴィオラ会議やっているので終わったら奏者から直接折り返しますね。」とのこと。
え?まじ?
オーケストラはどこそこの演奏が一番とか、あの楽団はよろしくないとかクラッシックファンによって評価がさまざまではありますが、N響、都響と同等に定期的に海外公演もするほどの名の知れた超有名楽団のヴィオラ奏者が?
何のコネも面識もない一般市民が電話一本で「教えて」とお願いしたところで、楽器を持ってもいない、触ったこともない初心者はちょっと…難しいだろうなと思っていたら、以外にもあっさりとお時間を作ってくださるとのこと!ヒャッハー!
こんな時ばかりは神に感謝せずにはいられない。巡り合わせをありがとうございます。
何はともあれ、まずは楽器を仕入れなくてはならないので後日専門店へご同行いただき、無事にヴィオラをお迎えすることができました。
初めてのヴィオラ。擦弦楽器のフォルムや構造、音色など何もかもが新鮮です。
何世紀もの以前から人々の音楽文化を支えてきた職人や音楽家たちの智慧と技術、弛まぬ努力があったからこそと、偉人たちが作ってきた歴史の上を自分もまた歩いているのだと思うと、何だかジーンと来るものが込みあげます。
ひとまず、押せば音が出るピアノとは違って弓で弦を擦って音を出す「擦弦楽器」。楽器そのものの構え方、弓の持ち方、身体の動かし方、楽譜の読み方…何から何まで激むずです。いや、もちろんピアノだって難しいです。
日常生活以外で定期的に体を動かすようなこともすっかりなくなってしまったぽんこつにとっては、これはもはやスポーツの域に達しています。
今までト音記号とヘ音記号しか知らなかったYo!ハ音記号ってナニ?楽譜のドの位置真ん中なの?というところからです。
でも、その難しさを乗り越えて悩みながら一つずつ身体と脳に染みわたらせる。そんな作業がぽんこつの残りの人生を少しでも豊かにしてくれるのかも知れません。
終わりなき自分との闘いに挑戦を始めたぽんこつですが、振り返ればもはや3年…3年分(約1000日経過)の上達は正直…できていません。
しかしながら、アマチュア楽団で活躍できる機会でもあれば…なんて気持ちも全くないので、これはこれで自分のために楽しみながら少しずつ、趣味として長い目で育てていこうっと。
ちなみに、楽器は『クワトロ弦楽器』という池袋にある小さな工房にて、初心者向けのセットを購入しました。
とても親切丁寧にご対応いただき、先生からもこのくらいのクオリティなら一生使えるとのお墨付きをいただき一安心。
購入前に血眼になってネット検索しましたが、弦楽器は本当にピンキリのお値段ですね。
豪邸が建てられる値段のものがあることは知っていたものの、数千円で買えるものもあったりしてビックリでした。
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